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岡田准一主演の映画「関ケ原」が面白い。知っておくと3倍楽しめる5分でわかる関ケ原の戦い

映画「関ケ原」は石田三成の視点で描かれている

画像:©2017映画「関ヶ原」製作委員会

まず、この映画は石田三成の視点で描かれているということを言っておきたい。信長が本能寺で死去したあと、天下人となった秀吉が病死。さて、次は家康が天下取りの野望を抱いて不穏な動きを見せ始める。

その気配を察知した石田三成は家康に敵対し、豊臣政権の維持のために動き出す。天下をとりたい家康と、「戦のない平和な世界をつくりたい」と願う三成。

当時、秀吉の跡を継ぐ秀頼は8歳。三成が代わりに指揮をとり、豊臣政権の維持に賛成する武将たちを集め、味方につけ、やがてくる関ヶ原の合戦に備えた。

しかし、仲間集めは思ったように上手くいかない。家康が敵となれば苦戦を強いられ、ほぼ死ぬ覚悟で挑まなければならないし、何よりも負け戦に参加したいとは思わない。

1600年6月16日。直江兼続の「直江状」(兼続が家康に歯向かう内容を書いた手紙)が発端となり、「おのれ上杉家め!俺をバカにしているな」と家康は激怒し、上杉家を討伐するために福島県へ出陣。

謝れば許してやる、と穏便な解決を望む家康に上杉家(兼続)は「来てみろよ、いつでも相手してやるよ」と挑発するような態度で謝罪することを拒否した。

兼続は上杉家の家臣であり、当然、主君の上杉景勝も直江状のことを知っていた。この出来事が、関ヶ原の戦いのきっかけとなる。

福島に出陣した家康だったが、三成が兵を集めて家康を討つ準備をしているという知らせを聞き、福島行きを断念して慌てて大阪へと引き返した。

家康は山形にいる最上義光に上杉家を討つように指示を出し、これを知った上杉家は自ら山形へ向かい戦った。 1600年9月15日に開戦した長谷堂の合戦である。

そして、いよいよ岐阜県関ケ原町で戦国最後の大合戦が始まる。集結した兵は東西あわせて18万人。長期戦になるかと思われた合戦だったが、家康の策略が上手で、わずか6時間で決着がついた。

完成度が高いスケールの大きい戦国映画

画像:©2017映画「関ヶ原」製作委員会

映画「関ケ原」は、豊臣秀吉と石田三成の出会いから始まり、関ヶ原で戦いに至るまでの経緯、合戦の様子が描かれている。三成や家康、武将たちの関ヶ原後の物語も展開されており、完成度が高い。

物語は幼いころの石田三成が過ごしていた寺に豊臣秀吉が訪れるところから始まる。秀吉に気に入られ、幼い身でありながら引き取られることになった三成。

やがて秀吉が死に、国はまた戦国の世に逆戻りしようとしていた。三成は仲間を集め、側近には島左近、そして伊賀の女忍者・初芽を置くことになる。

秀吉亡き後、天下統一を目論む徳川家康が徐々に本性を露わにし、家康も合戦に向け有力武将に声をかけ、三成の行動を監視していた。

三成と家康は、それぞれ伊賀の忍者を抱えていたが、三成の初芽、家康の蛇白は姉妹。しかし、2人が付く人物は敵同士で、姉妹も次第に敵対していく。

やがて家康は豊臣家の本拠地である大阪城を手中に収め、抵抗する三成の策は全て家康に封じられてしまう。そして2人の争いは、ついに最終局面を迎える。

お互いに兵を集め、西軍、東軍と巨大な勢力を集めた2人。本崎品の中での兵力は三成が率いる西軍10万、対して家康率いる東軍は7万5千で描かれており、圧倒的に西軍が勝っていた。

ところが決戦が始まると、三成は戦場で驚愕の事実を知ることになる。西軍の前線を任せたはずの小早川秀秋が三成を裏切り東軍に寝返る。さらに、家康の根回しにより、合戦に参加しない武将もいた。

西軍の総大将である毛利輝元も合戦に参加せず、もうチンプンカンプンの三成。それでも必死に戦い、己の信念を貫こうと奮闘する。

盟友であり生涯の友である大谷吉継の三成を想う姿も絶妙に描写されており、命を懸けて戦った男たちの熱き魂が伝わってくる。

司馬遼太郎のベストセラーを原作に戦国最後の合戦となった天下分け目の関ケ原を再現した本作。1500ページに及ぶ原作を2時間30分に凝縮し、関ケ原に焦点を当てた完成度の高い作品だ。

ストーリーはスピード感がありながらも、それぞれの武将の感情や思惑にもスポットを当て、生き様や主君への想いなど、しっかりと戦国時代の”強者”たちを描いている。

関ケ原の合戦は戦国の世が終わり、江戸時代の幕開けとなった歴史的な出来事である。映画なので史実とは異なる脚色もあるが、それも歴史を楽しむ楽しみ方の一つだと思う。

スケールの大きい合戦のシーンや個性的な実力派俳優たちの迫力ある演技、繊細でありながら戦国に生きる強い女性を豪華女優たちが演じ、最初から最後までスピード感のある展開から目が離せなくなる。

ぜひ、鑑賞してみてはいかがだろうか。

画像:©2017映画「関ヶ原」製作委員会
監督・脚本 原田眞人
2018年2月7日DVD発売(2017年8月 上映)

<キャスト・配役>

石田三成:岡田准一
徳川家康:役所広司
初芽:有村架純
島左近:平岳大
小早川秀秋:東出昌大
直江兼続:松山ケンイチ
井伊直政:北村有起哉
蛇白/阿茶:伊藤歩
福島正則:音尾琢真
加藤清正:松角洋平
黒田長政:和田正人
豊臣秀吉:滝藤賢一
大谷刑部:大場泰正
妙善尼:壇蜜
前田利家:西岡徳馬
安国寺恵瓊:春海四方
柳生石舟斎宗厳:辻萬長
上杉景勝:辻本晃良
宇喜多秀家:生島翔
長束正家:猪熊恒和
前田玄以:川中健次郎
浅野長政:大西孝洋
小西行長:鈴木壮麻
細川忠興:関口晴雄
池田輝政:齋賀正和
加藤嘉明:西原誠吾
毛利輝元:山崎清介
増田長盛:中村育二
本多忠勝:天乃大介
淀殿:和田菜々
ほか

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