皆さんは、戦国時代の「占い」や「呪術」といった文化をご存知でしょうか。現代では「オカルト」に認定されそうなこれらの信仰ですが、当時は戦国社会において広く受け入れられていました。
そのため、ほぼすべての大名が吉兆の占いをすることが当たり前になっており、それを軍事に転用する人物が「軍配者」、祈りに転用する人物が「祈祷師」として厚い信頼を受けています。
そこで、この記事では占いや呪術、宗教といった「超自然的なもの」を特に信奉した戦国大名をご紹介していきます。
破竹の進軍に貢献したのは占い?武田信玄
まず、戦国最強の一角に押されることも多い「武田信玄」は占いを大切にした武将として有名です。彼はとにかく占いによって物事を決める習慣があったようで、それは戦においても政治においても適用されました。
そのため、彼の「占い」や「ゲン担ぎ」に関するエピソードは枚挙に暇がなく、
- 好みの結果が出るまでクジを引き続けた
- 占いで『吉』が出たから出陣した
- 手相占いを重視していた
- フロイスに「いつも数珠を身に着けていた」と指摘される
など、占いが社会的に重視されていた時代ということを差し引いてもトップクラスの占い好きであることが分かります。
ちなみに、現代の研究において「戦国時代に諸葛亮のような『軍師』という存在が成立していなかった」というのが定説になりつつありますが、一般に「軍師」として考えられていた人物が戦における占いの専門家として重宝されていた可能性が指摘されており、戦が家の運命を左右することを考えればどれだけ占いの存在が欠かせないものであったかを知ることができます。