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11月は神々が出雲大社で「縁結び」について話し合うって本当?

11月は神々が出雲大社で「縁結び」について話し合うって本当?

11月は神々が出雲大社で「縁結び」について話し合うって本当?
画像:出雲大社神楽殿の大注連縄

縁結びで有名な出雲大社には国造りの神として知られる「大国主命(オオクニヌシノミコト)」が祀られていますが、オオクニヌシ様が1年で最も忙しいのが11月。

なぜ11月は大忙しなのか。それは、全国各地に散らばっている800万の神様(八百万神-ヤオロズノカミ-)が出雲大社へ一堂に集まるからです。

その神様たちをオオクニヌシ様が出迎えたり見送ったりするわけで、知る人ぞ知る出雲大社のビッグイベントなんですね。

この時期の出雲大社では様々な御神事が開かれ、なかでも「神迎祭」「神在祭」「神等去出祭」は重要な神事となっています。

出雲の神在月

11月は神々が出雲大社で「縁結び」について話し合うって本当?

さて、旧暦10月のことを「神無月(かんなづき)」と言いますが、読んで字のごとく、全国の神様(八百万神)が出雲に集まるから「神様」が「居ない」「月」という意味。

対して出雲では、八百万神が集まってくるので旧暦10月を「神在月(かみありつき)」と呼んでいます。つまり、旧暦10月は、出雲だけに神様がいるというわけです。

旧暦10月は新暦の11月なので、この時期に出雲大社では様々な御神事が行われています。

八百万神を迎える「神迎祭」

11月は神々が出雲大社で「縁結び」について話し合うって本当?
画像:稲佐の浜の弁天島

全国各地から集まってくる800万の神様たち(八百万神)は「稲佐の浜」に降り立って出雲に上陸すると言われており、それに伴って稲佐の浜では「神迎神事(かみむかえしんじ)」が行われます。

稲佐の浜は天照大神(アマテラスオオミカミ)から国譲りの命を受けた建御雷神(タケミカヅチ)をオオクニヌシが出迎えた場所であり、とても神聖な海岸なんですよ。

そして、神迎神事のあと、龍蛇神(リュウジャシン)様が神様たちを先導して稲佐の浜から出雲大社へ「神迎の道」を通って向かい、「出雲大社神楽殿」に到着するんですね。

11月は神々が出雲大社で「縁結び」について話し合うって本当?

このとき、神迎の道にある民家の人たちは自宅の軒下に潮汲み箍(潮汲みに使う竹の筒)を吊るしたり注連縄(しめなわ)を飾ったりして、昔から続く風習になっているようです。

※潮汲みとは毎月1日の朝に稲佐の浜の海水を潮汲み箍に汲んで出雲大社まで持って行って参拝し、その海水を家に持ち帰り、笹の葉に海水を付けて玄関や部屋、体などにまいて清める習慣。

神迎の道を通り出雲大社に着いた八百万神(ヤオロズノカミ)を迎えるために、次は「神迎祭(かみむかえさい)」が出雲大社神楽殿で行われます。

ちなみに、今年の神迎神事と神迎祭は2019年11月6日の午後7時~。

神迎祭は全ての神様を迎える神事なので大宮司ほか全祀職によって神聖に執り行われ、神迎祭が終わると八百万神は十九社(神様たちの宿泊所)に入り、旅の疲れを癒すそうです。

神迎祭では参列者に御神酒や餅が振る舞われ、とても縁起の良いものとして喜ばれています。

神議りに礼を尽くす「神在祭」

11月は神々が出雲大社で「縁結び」について話し合うって本当?
画像:出雲大社十九社

出雲に集合した八百万神は出雲大社の西南に位置する「上の宮」で縁結びや農作物の収穫などについて7日かけて神議り(かみはかり)を行うと言われています。

古来から個々の神様は完全なる存在ではなく、それぞれの神々が力を合わせ自然界を守っていると伝えられており、その一つとして、八百万神にとって神議りは重要なイベントなんですね。

※神議り・・・神様たちが話し合うこと

そして、このとき、人と人との「ご縁」についても話し合われ、神議りで決められるそうです。

神議りが行われている期間、十九社では祀職によって「神在祭(かみありさい)」が開かれますが、歌舞や奏楽で派手に振る舞わず、家屋の建築も中断し、ただ静かに慎んで暮らすのが出雲の習わし。

11月に出雲大社の周辺地域では強い風が吹いたり稲佐の浜では海が荒れることも多いそうで、地元の人らは神在祭が行われている期間中を「お忌みさん」と呼んでいます。

なお、一般の人は御忌祭には参列できません。

また、縁結びの神議りにちなみ、出雲大社では「縁結大祭」も行われます。八足門内にて、大国主命や八百万神に向けて人々の良縁を祈る祝詞(のりと)が声高らかに奏上されるんですよ。

ただし、縁結大祭の参列を希望する場合、出雲大社へ事前に申し込みが必要。良縁を熱望している人は、ぜひ参列してみてはいかがでしょうか。

2019年の神在祭は、11月7日・11日・13日。
縁結大祭は、7日と11日です。

感謝の意を込めて「神等去出祭」

11月は神々が出雲大社で「縁結び」について話し合うって本当?
画像:大国主命の像(出雲大社)

7日が過ぎ、神議りを終えた八百万神が出雲を去るとき、出雲大社では感謝の意を込めて「神等去出祭(からさでさい)」が行われます。

拝殿の祭壇に2本の神籬と龍蛇、お餅が供えられて祝詞(のりと)を奏上したあと、神職が本殿の楼門の扉を3度叩きながら「お立ち、お立ち~」と唱えます。

この合図で八百万神は出雲大社から去るそうです。

また、7日後の神等去出祭を終えたあとも、旧暦26日に再び神等去出祭を行い、これは「八百万神が出雲の地を離れた」ということをオオクニヌシに報告するための儀式。

神議りの最終日に神々たちは佐太神社と万九千神社で直会(なおらい)するらしいんですが、オオクニヌシは参加せずに出雲大社に留まるわけですね。

そのため、あらためて神等去出祭を行って「すべての神様たちが帰られましたよー」と神職がオオクニヌシに報告するわけです。

ちなみに、直会とは神様たちの打ち上げ。オオクニヌシ様、打ち上げに参加できないのは少し切ないですね・・・。

2019年の神等去出祭は11月13日と26日、いずれも午後4時~です。

参考:出雲大社

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