日本に初めて病院ができたのは?戦国時代?それとも明治?
画像:西洋医学発祥記念像(大分市)
私たちの健康を管理するうえで欠かせない病院。ところで、日本で初めて病院ができたのは「いつ」でしょうか。病院は近代的ですし、古くても明治くらいかな・・・なんて思ったら大間違い!
戦国時代には日本初の病院が大分県にあったんです。誰が建てたと思います?ポルトガル人の
ルイス・デ・アルメイダ(Luís de Almeida)という立派なお人。何が立派か?って、それを今回は紹介したいと思います。
異色の経歴「アルメイダ」さん
画像:ルイス・デ・アルメイダの像(アルメイダ病院)
1525年にリスボン(ポルトガルの首都)で生まれたルイス・デ・アルメイダは医師の免許を持ちながら商人でもあり、西洋医学を日本に導入して日本初の病院を作った人。
1548年にポルトガル王が認定する医師免許を取得し、「世界を見るぞ!」とインドへ旅立って貿易業に着手すると、中国と日本の貿易を仲介する目的で1552年に初来日。ものすごく儲けて億を超える兆単位の私財を築きました。
その頃、 群馬県では北条氏康が上杉憲政の上野平井城を攻め、切羽詰まった憲政は長尾景虎(上杉謙信)のもとに助けを求めて逃れていましたね。
話は戻り、来日したアルメイダは山口でイエズス会の宣教師コスメ・デ・トーレス神父に会いますが、トーレスはフランシスコ・ザビエルの事業を引き継いで日本で布教を続けていた人。
アルメイダはトーレスや宣教師たちとの出会いを通して「私にも何かできることがあるはず!」と使命感にかられ、豊後府内(大分県大分市)にとどまるのですが、さっそく私財を投じて乳児院を建てるのです。
当時の日本では赤子殺しが横行しており、その現実にショックを受けたそうです。育児院の施設を点て、乳牛を2頭肥育し、その牛から絞った乳で貧しい幼児や乳児を育てたアルメイダ。
さらに1557年には豊後府内の領主・大友宗麟に頼み込んで土地を譲ってもらい、内科・外科・ハンセン病科を備えた日本初の「総合病院」を設立しました。と同時に、西洋医学が日本で初めて導入された瞬間でもありました。
ちなみにこの頃、川中島では武田信玄と上杉謙信が3回目の合戦(第三次川中島の戦い)を行っていたとき。一方、京都では将軍の足利義輝が三好長慶・松永久秀と対立して滋賀県高島市に避難するという事件が起きていますね。
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