戦国武将を題材にした映画や大河ドラマ、幕末の人物にスポットを当てたドラマなど数多く作られているが、歴史的な出来事をクローズアップした映画は少ないように思える。
確かに史実を度返しして大げさに構成されているストーリーもあるが、それはそれで歴史を知る楽しみ方の一つ。そこで今回は、戦国時代に起きた歴史的な出来事をテーマにした映画を4作品ご紹介する。
ありえない設定と”食わず嫌い”せず、たまには映画で歴史の側面に目を向けてみるのも悪くない。ぜひ時間を設けて、のんびりと戦国映画を鑑賞してみてはいかがだろうか。
忍びの国(天正伊賀の乱がテーマ)
和田竜の小説を大野智が主演を務め映画化した『忍びの国』。織田信長が天下統一を目前にした戦国時代の中期。織田信長と敵対する伊賀忍者にスポットを当てたストーリーである。
伊賀の忍者・無門は凄腕の持ち主だが、普段は”なまけ者”で女房の尻に敷かれる毎日を送っていた。そんなある日、ついに織田信長が伊賀討伐の号令をかける。世に言う『天正伊賀の乱』。
そして、無門率いる忍びの軍団は誰も想像できない秘策を用意して織田軍に対抗する。なぜ、最強にして大軍の織田軍は、伊賀を攻略することができなかったのか?
さらに、無門の妻・お国を演じる石原さとみにも注目。無門という忍者は史実を調べる限り実在していないが、その時代に伊賀の忍者が脅威であったことがうかがえる。
天正伊賀の乱は、伊賀国で起こった織田氏と伊賀惣国一揆との戦いの総称である。天正7年(1579年)の戦いを第一次、天正9年(1581年)の戦いを第二次とし区別する。
天正7年9月16日、信雄は信長に相談もせず独断で8000の兵を率いて伊賀国に3方から侵攻したが、伊賀郷士衆は各地で抗戦し信雄軍を伊勢国に敗走させた。
伊賀衆の夜襲や松明を用いた撹乱作戦や地形を活かした奇襲などで、2~3日で信雄軍は2000以上もの兵を討たれ 、信雄は伊勢へ逃げ帰り侵攻は失敗に終わった。
信雄が無断で伊賀に侵攻し、さらに敗戦したことを知った信長は激怒し、信雄を叱責した。信長が信雄に「親子の縁を切る」と書いた書状をしたためたというからその怒りは相当なものであったと思われる。
また、この信雄の敗戦を受け、信長は忍者に対し警戒心を抱き、後の第二次伊賀の乱へ繋がっていく。再び織田信雄を総大将に5万の兵で伊賀国に侵攻した。
9月6日に攻撃が開始され、伊賀衆は比自山城に3500人、平楽寺(伊賀上野城)に1500人で籠城し、織田軍と交戦を繰り広げ、結果的に伊賀国の領主たちは降伏して終結する。
参考:天正伊賀の乱(Wikipedia)
天正伊賀の乱は忍者が表舞台に出てきた数少ない歴史的な出来事だ。映画を通して当時の忍者の役割や生活、立場などを知るきっかけになる見応えのある作品の一つではないだろうか。
時は戦国。織田信長は諸国を次々と滅ぼし、天下統一に向けひた走っていた。しかし、ただ一国だけ手出しすることを禁じた国があった。あの魔王・信長が最も恐れたども。伊賀・忍び軍団。
彼らは己の超人的能力を駆使し、戦場では金のためだけに人を殺める戦闘兵器。人を人とも思わぬ人でなし。と呼ばれていた。そんな忍びの一人、無門は伊賀一の腕を誇るも無類の怠け者。
女房のお国に嫁ぎのなさを詰め寄られる日々を過ごしていた。天正七年九月、信長の次男・は、父の命に背き、伊賀に攻め込む決意をした。
かつての主君を裏切り信雄の家臣になった、無門に弟を殺され伊賀への復讐を誓う忍びの下山平兵衛。対する伊賀十二評定の重鎮・と下山甲斐、そして忍びたち。
様々な人間たちの思惑が入り乱れ、知略謀略が張り巡らされた末、織田軍と伊賀忍び軍団は、壮絶な大合戦に突き進んでいく。
画像:©2017 映画「忍びの国」製作委員会
監督 中村義洋 脚本 和田竜
出演 大野智、石原さとみ、鈴木亮平、満島真之介、きたろう、立川談春、伊勢谷友介など
2018年2月2日DVD発売(2017年 上映)
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