現代の忍者像は数々の創作によって形成された
ここまで記事を読んで、忍者という存在が歴史的にどのような活動をしていたかが理解できたのではないかと思います。そこで、最後に我々が抱く「忍者イメージ」が、どのようなところから形成されていったのかを紹介していきます。
まず、忍者の存在が注目され始めたのは、着実に忍者が姿を消していく江戸時代でした。
江戸の創作ブームによって「忍術を用いて盗みを働く」「変化の術を用いて摩訶不思議な姿になる」といったイメージが形成されていき、しだいに巻物や黒装束、手裏剣とったアイテムと忍者の姿が結び付けられていくようになりました。
その後も忍者の人気が衰えることはなく、大正時代には『猿飛佐助』『霧隠才蔵』といった忍者を扱った作品がブームとなり、戦国時代における忍者の英雄的なイメージが作り上げられていったのです。
結果として、現代になると「忍び」をテーマにした小説や漫画などが一つのジャンルとして体系化されるに至り、我々にとっての「忍者」がそこに誕生することになりました。