どんな役職があったのか?
ここからは、ちょっと気になる役職について少しだけ紹介したいと思います。
とはいえ、大まかに分類するだけでも幕府には630を超える役職があったので、すべてを紹介できないのが残念。
その代わり、一覧できる全体の組織図を下部に載せておきますので興味のある方は参考にしてください。
<高家>
幕府の儀式典礼を取り仕切る役職。名家26家が世襲で就任
<大目付>
大名を監視する立場で旗本が就任する。旗本の職の中で最も栄誉のある役職
<側用人>
大名から選任し、将軍の側近として老中と連絡を取り合う
<側衆>
幕府の幹部(幕閣)と将軍の取次を行う
<久能総門番>
久能山にある家康の墓(遺骸は無い)を守る役職
<留守居>
大奥の取締りや大名の婦女に関する手続き・事務作業
<勘定奉行>
幕府の財政を担い、幕府直轄地で生じた訴訟も裁いた
<甲府勤番>
素行の悪い役人が左遷される所で「山流し」と言われた
<オランダ通詞・唐通詞>
通訳、長崎港の外交や政務を担う重要な役職だけど民間に委託
<仙洞付>
退位した天皇の屋敷を保護する
<勘定吟味役>
すべての勘定所の監査、監視
<道中奉行>
街道沿い(五街道)にある伝馬・旅宿・飛脚や交通などの管理
<寺社奉行>
譜代大名の中から選任され、出世コースのスタート地点となる
<奏者番>
徳川家の中から最も優れたエリートが選ばれる
<目付>
旗本や御家人を観察する役職
<小納戸>
毒味や洗体など将軍の身の回りの雑務や奉仕
<首斬り役>
非常勤で、浪人が請け負っていた
<奥右筆組頭>
機密書類の作成。老中へ通達される書類の監査・精査
<火附盗賊改>
武士の犯罪を取り締まる役職
とことん知りたい人は!
徳川幕府の役職について仕事内容や成り立ちなど隅々まで知りたいという人は、関連の専門書が販売されているので一読するのもいいかもしれませんね。
でも、値段がお高めなので、「どうしても!」という人だけでいいと思います。
ちなみに、今回参考にした専門書は、
深井雅海さん監修の「江戸幕府諸役人御用番名鑑」(税込18,000円)
新人物往来社の「江戸役人役職大事典」(中古で11,000円)
です。ねっ、意外と値が張りますでしょ・・・。
役職名や優劣など全体像が把握できる程度でOKという人は、下部の組織図でイメージできるので参考にしてください。
ただ、どれもこれも漢字だらけで、なかには15文字の役職名もあって本人さえ覚えるのが大変そう・・・。おおよそトップ3は、こんな感じです。
第3位 11文字
・・・「作事方被官格材木方改役」など
第2位 12文字
・・・「広敷御用部屋伊賀格吟味役」や「支配勘定格御所入用取調役」など
第1位 15文字
・・・「進物取次上番格御所勘使買物使兼」
最も少ない文字数の役職名は「与力」や「同心」。こんなに長い役職名、毎回、噛まずに言えたらスゴイですね~。