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信長公記・2巻その1 「二条城の建築」

二条城の建築

信長公記・2巻その1 「二条城の建築」

画像:旧二条城跡の石碑(京都市上京区鳥丸)

本圀寺の一件により座所の防衛に不安を抱いた信長は、新しい座所の造営を実行した。

尾張、美濃、近江、伊勢、三州(三河国)、五畿(大和国・河内国・和泉国・摂津国・山背城)、若狭、丹後、丹波、播磨の14国から職人を呼び寄せ、二条の斯波氏の屋敷(敷地)に新しい座所を造る工事が始まった。

仕事始めは3月14日で、まず四方に石垣を築き、大工奉行(現場監督)の村井貞勝、島田秀順が指揮を執って諸国から集まった材木を積み上げていった。

作業は滞りなく進められ、5月の中旬には新座所(二条城)が完成し、足利義昭が本圀寺から移った。内装は金銀を施し、庭には池をつくり(泉水)、遣水(やりみず)と築山(人工的に庭園に土砂で築いた山)が設けられ、さらに、細川家の屋敷にあった藤戸石という大きな石も庭に移された。

信長が指揮を執り、藤戸石を綾錦や花で飾り、笛や大鼓で囃(はや)し立てながら大綱で引かせ、石は御所の庭へ運ばれた。また、東山の慈照寺の九山八海という石など各所の名石や名木が集まり、贅を尽くした庭園に仕上がった。

新座所の周囲には諸侯の屋敷が建設され、将軍の座所として威厳を感じさせる様式となった。新座所が完成すると信長は、足利義昭に太刀と馬を祝い品として献上した。義昭は大いに喜び、信長を酒でもてなして感謝の品を贈った。

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