幕末を生きた偉人たちは坂本龍馬をどのように評価していたのか?
画像:勝海舟・坂本龍馬の師弟像(東京都港区赤坂6丁目)
2017年11月14日の朝日新聞に「坂本龍馬が教科書から消える」という衝撃的な記事が載っていましたね。さらに、吉田松陰も教科書から削られるそうで、いわゆる”アップデート”ってやつですかね。
選定された理由は、「実際の歴史上の役割や意味が大きくない」とのこと。つまり、「史実の観点でみたとき教科書に載せるほどの人物ではないし、過大評価されている。とくに覚える必要はない」ってわけですね。
そんなバッサリ否定しなくても・・・。存在していたのは確かですし、西郷隆盛や板垣退助など幕末の偉人たちが龍馬を高く評価している史料も残っているわけで、少なくとも幕末において歯車の一つになった人物だと思うのですが・・・。
実際のところ、どのように龍馬は評価されていたのか、西郷や板垣、勝海舟や由利公正などが遺した言葉から龍馬の面影を探ってみたいと思います。
その前に、なぜ龍馬が教科書から消える?
画像:2017年11月14日の朝日新聞
そもそも、なぜ龍馬が教科書から削られることになったのでしょうか。ちなみに、龍馬や松陰だけではありませんよ。武田信玄や上杉謙信なども対象で、出来事だと桶狭間の戦い、世界史だとガリレオやクレオパトラも削られるそうです。
高校の授業が暗記中心となっているのは問題だとして高校と大学の教員らで作る「高大連携歴史教育研究会」(会長=油井大三郎・東大名誉教授)が用語の精選案を発表した。
研究会によると、現在の高校の主要歴史教科書書は世界史B、日本史Bともに約3400~約3800語が載っており、1950年代と比べて3倍近くになっている。
一方、高校の授業のコマ数を考えると、きちんと教えられる用語は2千語強という。また、入試では暗記より思考力や表現力を重視する大学が出ている。このため、研究会は歴史の流れを理解するために必要な言葉を中心に精選。
「共同体」「史料批判」など概念の用語や、現代的課題につながる「気候変動」「グローバル化」といった語句を加える一方、「クレオパトラ」「ガリレオ・ガリレイ」「武田信玄」「上杉謙信」「吉田松陰」「坂本龍馬」などは「実際の歴史上の役割や意味が大きくない」などとして削った。
引用:2017年11月14日 朝日新聞
<高大連携歴史教育研究会が「教科書本文から削るべき」と提案したリストの一例>
●日本史
中宮寺半跏思惟(はんかしい)像、国立寺建立の詔(みことのり)、不輸・不入の権、鹿ヶ谷の陰謀、時宗、武田信玄、上杉謙信、桶狭間の戦い、中山道・甲州街道・奥州街道・日光街道、大岡忠相、ジーメンス事件、五日市憲法草案、旅順占領、坂本龍馬、吉田松陰など
●世界史
エジプト古王国・中王国・新王国、クレオパトラ、ガリレオ・ガリレイ、マリーアントワネット、リキニウス・セクスティウス法、カノッサの屈辱、金瓶梅、ミュール紡績機、プラッシーの戦い、立法議会・国民公会ワーテルローの戦い、ロベスピエール、第1回大陸会議など
はじめにも少し言いましたが、「史実の観点でみたとき教科書に載せるほどの人物または出来事ではないし、過大評価されている。歴史の流れを理解するうえで、とくに覚える必要はない」用語が削られるようですね。
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