注目の記事ピックアップ!

とにかく毛利元就は「餅」が大好き!合戦で兵士に持たせた兵糧も「餅」だった?!

episode3 コミュニケーションにも餅を用いた元就


画像:(清神社)

吉田物語の文中には、元就にまつわる餅の話が次のように記されています。

元就は来客のために、いつでも酒と餅を用意していた。そして、身分に関係なく町民だろうと浪人であっても親しく付き合っていた。そうした者たちが時に元就を訪ねて野菜や鳥、魚など地の土産物を持ってくるのである。

その度に元就は自ら顔を出して喜んで受け取り、さらに餅や酒を振る舞って手厚く「もてなし」たのだ。

もてなす際、元就はこう尋ねる。

「君は上戸(酒飲み)か?それとも下戸(酒が苦手)か?」

客が「酒は好きです」と答えると、

「酒は体を温めてくれるから凍えそうで仕方ないときには役立つものだ。
たとえば、川の中を進軍する場合など体を温めてくれる。
だが、気晴らしのために飲んだり限度を超えて飲むものではない」

そう言って酒を差し出す。

一方、「酒は飲めません」と答える相手には、

「そうか、君も下戸か。私も酒は苦手だ。
酒は飲むと人は気性が荒くなりやすくなるし、余計なことを言ったりする。
酒ほど厄介なものはない。
わしと一緒に餅を食べよう」

そう言って餅を差し出すのである。

返事に応じて相手の望むほうを差し出すわけですが、酒を求める相手に対しては「やんわりと忠告」を促しつつ酒を出し、下戸だと言う相手には「酒は悪いもの」と伝えたうえで餅を出す。コミュニケーションにも餅を用いていた元就なのです。

 

ページ:
1

2

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • follow us in feedly

関連記事

  1. 天下人も恐れた「黒田官兵衛」は”喧嘩”が好きな野望家だった?

  2. 織田信長と豊臣秀吉のマネジメント能力(秀吉編)

  3. 平将門の怨念を封じた結界が山手線のルーツ?

  4. 史実の忍者とはどのような存在?ドラマとの違いや仕事内容を徹底解説

  5. 戦国時代でスカウトしたい「可児才蔵」

  6. 天下の茶人、千利休が遺した「四規七則」「利休道家」とは?(前編)

  7. 美談も武勇伝も必要なし?「上杉謙信」が”戦い”に求めていたものとは?

  8. 真田氏のプライドを懸けて挑んだ真田幸村「大坂の陣」(中編)

  9. 真の傾奇者!己の道を傾奇通した「水野勝成」の波乱万丈な生涯

コメント

  1. この記事へのコメントはありません。

  1. この記事へのトラックバックはありません。

最近の記事

週間人気記事ランキング

  1. 登録されている記事はございません。

全体人気記事ランキング

おすすめ記事

PAGE TOP