あなたは、フリーメイソンという組織をご存知だろうか。その起源は古く、すでに1396年には存在していたことがウエスト・ミンスター寺院の改修記録に記されている。
※1378年にカンタベリー大主教が作成した証書にもフリーメイソンのことが書かれており、この時代に存在していたという記録もある。フリーメイソンの正式名称はフリーメイソンリー。
本部はイングランドにあり、本部をグランドロッジ、支社をロッジと呼んでいる。都市伝説として扱われることの多いフリーメイソンだが、日本にも17ヶ所にロッジがあり、実在する組織であることは言うまでもない。
フリーメイソンに入会していた著名人や歴史上の人物も多く、その一人として幕末の志士「坂本龍馬もフリーメイソンの会員だったのではないか」と唱える専門家もいる。
これが事実だとすれば、とんでもない発見である。そこで今回は、龍馬とフリーメイソンを結びつける”疑惑”についてリサーチしてみたいと思う。はたして本当に龍馬は秘密結社の一員だったのだろうか。
フリーメイソンとは?
フリーメイソンのグランドロッジは世界に3ヶ所。総本部はイングランドで、フランスの会員を管理する本部がパリとロンドンにあり、そのほか世界各国にロッジ(支社)を設置している。
歴史をさかのぼると、フリーメイソンは石工(いしく)職人が集まって作った組合が始まりである。石工のことを英語で「mason(メーソン)」と言うが、これが組織名の由来となっている。
石工職人は石材を加工したり加工した石材で何かを造ったりする人で、山から石材を切り出したり採掘したりする人も総称して石工職人に分類できる。
そのため、フリーメイソンのシンボルマークは石工職人の商売道具である「コンパス」と「定規(ものさし)」でデザインされており、「上下に重なり合うコンパスと定規、真ん中には”G”の文字」が記されている。
コンパスで「男性器」を表し、定規で「女性器」を表していると言われ、ほかにも「陰と陽」、「天と地」、「論理と物理」、「精神と物質(肉体)」といった意味がある。
これらには、「すべてのことは異なる性質をもつ二つの原理から成り立っている」という意味があり、生命や出来事、モラルや社会など幅広い分野に該当する哲学的な考え方だ。
さらに中心のGは「キリスト」を意味し、「GOD(神)」の頭文字を示している。そのほか、「Geometry(幾何学)」、「Glory(栄光)」、「Gnosis(ギリシャ語で知識)」、「Grandeur(寛容)」を表している。
コンパスと定規の中心にGを記すことで、「異なる二つの性質を調和させているのは神(GOD)」という意味が完成する。そして、もう一つのシンボルマークが”プロビデンスの目”。
プロビデンスとは「すべてのことは神の意思によって起こっている」というキリスト教の教えであり、「Providence(摂理)」に由来しているそうだ。
プロビデンスの目は「あらゆるものを見通す目」とも呼ばれ、「すべてを知っているのは全知全能の神だけ」という意味になる。やはり二つのシンボルは、キリスト教との関係が強いマークと言える。
その証拠にプロビデンスの目は、キリスト教文化の芸術作品や建築物などに多く彫刻されている。
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