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スケールの大きさに思わず見入ってしまう!歴史的な出来事をテーマにした戦国映画4選

のぼうの城(忍城の水攻めがテーマ)

のぼうの城は、忍城の城主・成田長親にスポットを当てた作品。豊臣秀吉の指示を受けた石田三成が水攻めで忍城を攻略するストーリーだが、成田の奇想天外な妨害により悪戦苦闘する。

成田軍500人に対し、石田軍は2万人。すぐに決着がつくと思われた城攻めだったが、あの手この手で石田軍に対抗する成田と成田軍の武将たち。

領民から「のぼう様」(でくのぼう)と呼ばれ慕われる成田長親が城主を務める城、すなわち”のぼうの城”を舞台に摩訶不思議な戦いが繰り広げられる。

忍城の戦い(おしじょうのたたかい)は、天正18年(1590年)6月16日~7月16日にかけて成田氏の本拠である武蔵国の忍城(埼玉県行田市)を巡って発生した戦いである。

成田氏代々の居城であった忍城はその周囲に元荒川・星川が流れていて自然の堀をなし、関東七名城の一つに数えられていた。

豊臣秀吉は四国征伐や九州征伐で長宗我部氏や島津氏を配下とすると、天下統一に向け今度は関東平野に広大な領土を獲得していた後北条氏に目を付けた。

秀吉は徳川家康を介して上洛を促すが北条氏政は拒否し、小田原攻めが決定した。この報を聞いて成田氏当主・成田氏長と成田泰親は小田原城に籠城していたため、忍城には成田泰季と成田長親、甲斐姫らが籠城することになった。

豊臣軍は忍城を攻略するために石田三成・大谷吉継・長束正家を派遣。6月4日に忍城の大宮口に本営を設け攻撃をしたが、城の守りが固く容易に陥らなかった。

6月17日に三成は丸墓山古墳に陣を構え、忍城を包囲したが忍城は沼や河川を堀として有効的に利用した堅城であり、豊臣軍の侵攻は難航した。

このような状況のなかで、三成は城を中心に南方に半円形の堤防を築くことにした。4~5日という短期間で堤防を築き、全長28キロメートルにもなる石田堤と呼ばれる堤防を完成させ、利根川の水を利用した水攻めが始まった。

ところが予想に反して本丸が沈まず、まるで浮いているように見えたことから忍の浮き城と呼ばれた。

6月18日、降り続いた豪雨の影響で忍城は水没しそうになったが、これを防ぐために成田軍は石田軍に気づかれぬよう堤防を破壊し、大雨で溜まりに溜まった水が溢れ出し、豊臣軍およそ270人が死亡。

7月はじめには浅野長政らが、7月6日頃には上杉景勝と前田利家らが石田軍の援護に加わったが、それでも忍城は落城しなかった。

7月5日、小田原城が降伏・開城し後北条氏は滅亡。ほかの北条方の支城も落とされ、未落城の城は忍城のみとなっていた。7月16日、浅野長政の交渉により成田は降伏。忍城を開城し、戦いは終結した。
参考:忍城の戦い(Wikipedia)

負けん気の強い甲斐姫、成田軍の武将を演じる個性的な俳優陣。主演の成田長親を演じる野村萬斎の田楽踊りや陽気な立ち振る舞いは実に見どころ。さらに、豊臣軍の武将たちも個性的な俳優が顔を揃えている。

教科書では教えてくれない忍城の戦いを知ることができる作品だ。脚色は激しいが、基本的なストーリーは史実に基づいている点も多い。豊臣秀吉の天下取りの最終段階となった出来事だけあり、ぜひ観ておきたい戦国映画の一つではないだろうか。

画像:©2011「のぼうの城」フィルムパートナーズ

監督 犬童一心  脚本 和田竜
出演 野村萬斎、佐藤浩市、榮倉奈々、成宮寛貴、上地雄輔、山田孝之、市村正親など
2013年5月2日DVD発売(2011年 上映)

関ケ原(関ケ原の戦いがテーマ)

2017年8月26日に公開された映画「関ケ原」。時は1600年。豊臣秀吉の死から2年後、石田三成は毛利輝元を総大将に85000の兵を率いて徳川家康率いる東軍88000の兵と関ケ原で戦う。

本作品では合戦だけでなく、命を懸けて三成を守る女忍者・初芽との愛も描かれている。陰謀や策略が渦巻くなか、「愛」と「正義」を貫き通す純粋な三成とは対照に、野望に燃える家康の迫力も見どころ。

豊臣秀吉と石田三成の出会いから始まり、関ヶ原で戦いに至るまでの経緯、6時間に及ぶ合戦。そして、三成や家康をはじめとする武将たちの関ヶ原後の物語も展開されており、完成度が高い。

まず物語は、幼いころの石田三成が過ごしていた寺に豊臣秀吉が訪れるところから始まる。秀吉に気に入られ、幼い身でありながら引き取られることになった三成。

やがて秀吉が死に、国はまた戦国の世に逆戻りしようとしていた。三成は仲間を集め、即金には島左近、そして伊賀の女忍者・初芽を置くことになる。

秀吉亡き後、天下統一を目論む徳川家康が徐々に本性を露わにし、家康も合戦に向け有力武将に声をかけ、三成の行動を監視していた。

三成と家康は、それぞれ伊賀の忍者を抱えていたが、三成の初芽、家康の蛇白は姉妹。しかし、2人が付く人物は敵同士で、姉妹も次第に敵対していく。

やがて家康は豊臣家の本拠地である大阪城を手中に収め、抵抗する三成の策は全て家康に封じられてしまう。そして2人の争いは、ついに最終局面を迎える。

お互いに兵を集め、西軍、東軍と巨大な勢力を集めた2人。本崎品の中での兵力は三成が率いる西軍10万、対して家康率いる東軍は7万5千で描かれており、圧倒的に西軍が勝っていた。

ところが決戦が始まると、三成は戦場で驚愕の事実を知ることになる。西軍の前線を任せたはずの小早川秀秋が三成を裏切り東軍に寝返る。さらに、家康の根回しにより、合戦に参加しない武将もいた。

それでも必死に対戦する三成。盟友であり生涯の友である大谷吉継の三成を想う姿も絶妙に描写されており、命を懸けた男たちの熱き魂が伝わってくる。

司馬遼太郎のベストセラーを原作に戦国最後の合戦となった天下分け目の関ケ原を再現した本作。1500ページに及ぶ原作を2時間30分に凝縮し、関ケ原に焦点を当てた完成度の高い作品だ。

ストーリーはスピード感がありながらも、それぞれの武将の感情や思惑にもスポットを当て、生き様や主君への想いなど、しっかりと戦国時代の”強者”たちを描いている。

画像:©2017「関ヶ原」製作委員会

監督・脚本 原田眞人
出演 岡田准一、有村架純、平岳大、東出昌大 、役所広司、滝藤賢一など
2018年2月7日DVD発売(2017年8月 上映)

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