いつの時代も政治家に失言はつきもの?
失言は吉田茂だけではない。過去に、多くの政治家が”適切ではない”言葉を発して問題になっている。次の失言は一例だが、過去の政治家が発した”問題あり”の失言を紹介する。
「自衛隊は暴力装置である」
仙谷由人官房長官(2010年)東大在学中に全共闘の闘士だった経験が影響したのか、参院予算委員会で思わず漏らした言葉。すぐに「ある種の軍事組織」と言い換えたが、多くの人から叩かれた。
「女性は子どもを産む機械だ」
柳澤伯夫 厚労相大臣(2007年)この発言に野党は柳澤へ辞任を求めるも、柳澤は大臣を継続。
「長野県でエイズ患者が増えているのはオリンピック絡みである」
加藤紘一 官房長官(1992年)エイズに対する差別発言として言及された。長野県の五輪開催が6年先にもかかわらず、記者会見で発した謎の発言。
「日本は天皇中心の神の国である」
森善朗首相(2000年)神道系の団体懇談会での挨拶での発言。この言葉に公明党が反発し、野党も「国民主権の憲法に反する」と森首相を非難。半月後の衆院解散へと発展し、森内閣は解散した。
また森首相は、フィギア・スケートの浅田真央選手について「あの子は大事なときには必ず転ぶ」 と発言し、多くの国民から反感を買っている。
「中小企業の5人や10人の破産、自殺はやむを得ない。子孫を残そうとする利他の要素だ」
池田勇人通産相(1952年)この発言が引き金となり、就任からわずか1ヶ月で辞任。ほかにも、大蔵相時代に言い放った「貧乏人は麦を食え」も有名な失言である。
「私はなりたくて首相になったんじゃない」
宇野宗佑首相(1989年)総理就任から数日で女性スキャンダルが勃発し、公邸での会見で発し、そのまま報道される。衆議院選惨敗も後押しして、69日で宇野内閣は退陣した。
「私の内閣の方針に反対する勢力は全て抵抗勢力だ」
小泉純一郎首相(2001年)国会で「抵抗勢力は誰のことか?」という質問を受けて履いた暴言。2ヶ月後には「小泉が自民党をぶっ潰す」という発言も飛び出し、問題となっている。
「ワイマール憲法がナチス憲法に変わった。あの手口を学んだらどうか」
麻生太郎が副総理の頃(2013年)憲法改正問題に関してコメントしたときの一言。独裁政権を匂わすとして批難された。報道した朝日新聞に発言を改編したと麻生は批判するも、しばらくしてこの発言を撤回した。
「知恵を出したところは助けるけど、知恵を出さないやつらは助けない」
松本龍は震災復興担当相の責任者(2011年)東日本大震災で被災した県知事に上から目線で発言したとして問題となった。「九州の人間ですけん、語気が荒かった」と言い訳するが通用せず、就任からわずか9日目で辞任。
「サイン、コサインを女の子に教えて何になる」
伊藤祐一郎 総務省大臣(2015年)高校教育の在り方を議論する会議の場で「サイン、コサインを女の子に教えて何になる」と発言。 女性蔑視と批判され、その後「口が滑った。女性を蔑視しようしたのではない」と発言を撤回した。
「黒人は知能が低い」
中曽根康弘 首相(1986年)黒人を差別する趣旨の暴言を吐き、外交関係を揺るがす大問題になった。
「閉経して子供を生む能力がない人間が長生きしているというのは地球にとって非常に悪しき弊害」
石原慎太郎(2001年)この発言はマジでヤバい・・・。週刊誌のインタビューに対し、子供が産めない女性、または産める年齢を過ぎた女性を否定する暴言として世間から大バッシングを浴びる。訴訟にまで発展した。
これらは、ほんの一例である。まだまだあるが、これくらいにしておこう。いつの時代も政治家の失言や暴言が取り上げられるが、「人間だから失敗しても仕方ない」では済まされないのが政治家という立場。
つい口が滑って・・・では、許されないわけだ。吉田茂の「バカヤロー」も、その一つ。内閣総理大臣の歴史に汚点を残す”大失言”となってしまった。
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